災害に備える家計|40代が保険の前にやる3つのこと

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災害に備える家計のアイキャッチ。災害の備えを考える40代へ、うちの家財補償は100万円でした、5人家族。買い直したら175万円

2026年10月14日 公開


「地震保険って、入ったほうがいいんですかね」。災害の話になると、たいていこの質問から始まります。僕もそうでした。

でも、この記事を書くために調べていて気づきました🤔

保険から入るのは、順番が逆だったんです。保険は、打てる手を打ったうえで、それでもカバーしきれない分にかけるもの。

先に保険を考えると、高いお金を払って、いざというとき足りないという一番まずい形になります。

実際、僕がそうなっていました。
自分の保険証券を開いてみたら、家財の保険金額が100万円。

5人家族です。
勧められるまま入って、一度も中身を見ていませんでした。

この記事を読み終えたら、次の3つに分けて考えられるようになります。

  1. 住む場所で決まる部分
  2. 持ち物で決まる部分
  3. 保険で埋める部分

そして今日15分でできる、自分の契約の確かめ方まで持ち帰れます😊 かかるお金は0円です。


📖 この記事でわかること

  • 災害の備えを3つに分けて考える方法(=保険は最後)
  • 賃貸の火災保険は、たいてい下げられる(=相場は年4,000円ほど)
  • 地震保険に入るべきかを、実際の支払いデータで判断する
  • 被災したとき公的支援はいくら出るのか(=賃貸のままなら150万円)
  • 僕の保険証券を開いたら何が書いてあったか(=家財100万円)

目次

🤔 災害の備えは、保険から入ると失敗する

まず、考える順番を整理します。ここを間違えると、あとの判断が全部ずれます🤔


備えは、3つに分けられる

災害からお金を守る方法は、次の3つしかありません。

  1. 確率を下げる(=そもそも被害に遭いにくくする)
  2. 被害を減らす(=遭っても、失うものを小さくする)
  3. 補償してもらう(=それでも残る分を、保険で埋める)

🔑 順番が大事な理由

保険は、①と②で減らしきれなかった分だけにかけるものです。
先に保険から考えると、減らせたはずのリスクにまで保険料を払い続けることになります。

順番を守ると、保険料は下がって、備えは厚くなります。逆ではありません😌

むちお

保険に入っておけば安心、じゃダメなの?

ちえこ

保険はお金が戻るだけで、被害そのものは減らないからね。しかも保険で戻るのは、失ったものの一部だけ。順番を守ったほうが、結局トクなんだよ。

災害の備えの順番を示した図。①確率を下げる(住む場所で決まる)②被害を減らす(持ち物を減らす・固定する)③補償してもらう(保険で埋める)の3段階で、保険は最後でいいことを表している

🗺️ ①確率を下げる——住む場所で、ほぼ決まる

身も蓋もない話ですが、災害に遭う確率はどこに住んでいるかでほとんど決まります😳


今日15分、ハザードマップを見る

ハザードマップとは、この場所は水に浸かるか、崖が崩れるかを、色で塗った地図のことです。
国と自治体が公表していて、無料で誰でも見られます。

見るのは3つだけです。

  • 洪水——大雨で川があふれたとき、どこまで浸かるか(=何メートルかまで書いてあります)
  • 土砂災害——崖や斜面が崩れる危険がある区域か
  • 津波・高潮——海の近くなら必ず

公式:重ねるハザードマップ(国土交通省)——住所を入れるだけで、家の場所に色が重なって出ます。
お住まいの市区町村のサイトにも、紙の版が必ずあります。

色の意味を、生活の言葉に直しておく

洪水のマップには「浸水想定 3.0m」のように数字が出ます。
メートルで言われてもピンと来ないので、暮らしの感覚に直しておきます。

浸水の深さ家の中で起きること
0.5m未満床下まで。家財の被害は小さい
0.5〜3m1階の床上。1階の家具・家電はほぼ全滅
3〜5m2階の床上まで。2階へ逃げても足りない
5m以上2階の軒下まで。建物の外へ逃げる前提

大事なのは、0.5mを超えるかどうかです。ここを境に、家財の被害が「一部」から「ほぼ全部」に変わります。

自分の家が何メートルの区域にあるかだけ、覚えておいてください。

浸水の深さと家の中で起きることを対応させた図。0.5m未満は床下まで、0.5〜3mは1階の床上で家具・家電はほぼ全滅、3〜5mは2階の床上まで、5m以上は2階の軒下まで。0.5mが分かれ目
むちお

うちの地域、見たことなかった…。

ちえこ

大丈夫、ほとんどの人がそうだよ。5分で見られるし、何も塗られてなければそれが一番の安心材料になるからね😊


ここは、賃貸のほうが動かしやすい

ハザードマップを見て「ここは危ないかもしれない」と思ったとき、できることは住む場所を変えることです。
そして賃貸なら、次の更新で動けます。

持ち家の場合、同じ判断をするには売って買い直すことになります。これは金額も手間も、まったく別の話になる。

どちらが良い悪いではなく、災害の確率を下げるという一点では、動ける側が有利ということです🤔

※持ち家か賃貸かという選び方そのものは、家族の年齢や仕事とセットで決まる大きなテーマなので、別の記事でまとめて扱います。


📦 ②被害を減らす——災害に強いのは「持っていない人」

次に、遭ってしまったときに失う量を減らす話です。ここで一番効くのは、意外なところにありました。


災害で壊れるのは、形のあるものだけ

自分の財産を3つに分けてみます。

種類中身災害でどうなるか
形のあるもの現金・土地・家・車・貴金属・家具・家電燃える。流される。壊れる
権利特許・ソフトウェアなど影響なし
お金の記録預金・株式・投資信託・債券影響なし

当たり前のようですが、意味は大きいです。証券口座の中の投資信託は、津波が来ても1円も減りません。
記録として存在しているだけで、家の中に置いてあるわけではないからです😳

つまり、財産のうち「形のあるもの」の割合が小さいほど、災害に強いということになります。


いちばん大きな「形のあるもの」は、家

40代の家計で、最大の形あるものは家そのものです。
だから災害への強さだけを見れば、現金は財布の中だけ、住まいは賃貸、残りは投資信託——という形が、いちばん打たれ強い。

僕はいま、だいたいこの形です。
狙ってこうしたわけではなく、家計を整えて投資を始めた結果、たまたまそうなっていました。

この記事を書きながら「そういう意味もあったのか」と、あとから気づいた感じです😅

⚠️ ただし、これで持ち家が不利という話ではありません

家は、災害以外のところで大きな価値を持ちます。
住み続けられる安心、老後の住居費、子どもの環境。

災害という一点だけを取り出せば動ける側が有利、というだけの話です。

どちらを選ぶかは、家族の年齢と働き方から逆算する別のテーマです。ここでは結論を出しません😌


実家は、いつ建てた家ですか

もうひとつ、40代にとって見落としやすい「形のあるもの」があります。
親の家です。

1981年(昭和56年)6月に、建物の耐震基準が大きく変わりました。
それより前に建築確認を受けた家は「旧耐震」と呼ばれ、国土交通省も「耐震性が不十分なものが多く存在します」と言い切っています。

つまり、実家が1981年5月以前の家なら、災害でいちばん先に壊れるのはそこかもしれません。自分の賃貸より、ずっと大きな穴です😳

見分け方は、建てた年ではなく「建築確認を受けた日」です。確認済証や検査済証、登記の新築年月日で分かります。1981年の前後に建った家は、必ず日付まで確認してください。

✅ 実家の耐震=今日やる3手

  1. 親に「いつ建てた家?」
    と聞く
    (=帰省の世間話で足ります)
  2. 1981年5月以前なら、自治体の耐震診断の補助を調べる。
    多くの自治体に、木造住宅の耐震診断を無料〜数千円で受けられる制度と、改修費の補助があります。
    額や条件は自治体ごとに違うので、国土交通省「住まいの耐震化|補助金・支援制度」から、実家の市区町村を調べてください。
  3. 迷ったら相談窓口へ。
    日本建築防災協会の耐震相談窓口か、市区町村の建築課で無料で聞けます。

診断だけなら、親の負担はほぼありません。「補助が出るらしいよ」の一言から始めるのが、いちばん角が立ちません😊

出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」

うちの場合:実家は増築していて、半分が1981年より前、半分がその後です。同じ屋根の下に新旧が混ざっている。増築した家では珍しくない形で、「いつ建てた家?」の答えが1つにならない理由です。
こういう家こそ、上の3手の「役所の無料診断」が効きます。


今日できる、物理的な備え

持ち物の話も少しだけ。お金をかけずにできるものを4つ。

  • 背の高い家具を固定する(=地震のけがの多くは家具の転倒です。
    突っ張り棒は数千円)
  • 寝る場所の頭側に、倒れるものを置かない(=0円・模様替えだけ)
  • 通帳・保険証券・権利書は1か所にまとめる(=持ち出せる形にしておく)
  • 大事な書類はスマホで撮っておく(=クラウドに入れておけば、紙が流されても残ります)

うちの場合:備蓄は「ふだん食べるものを多めに買って、食べながら買い足す」方式(=ローリングストック)です。年1回の点検日を決めるより、うちはこれで回っています。水とモバイルバッテリーも同じ棚にあります😊


🛡️ ③補償してもらう——火災保険は「家の災難保険」

ここでやっと保険です。まず、火災保険が何を守るものかを正しく知っておきます。


火災保険は、火事だけの保険ではない

名前のせいで誤解されていますが、火災保険は「家まわりの災難」を幅広くカバーする保険です。
契約によりますが、だいたいこれだけ入っています。

  • 火災・落雷・破裂爆発
  • 風災・雹災・雪災(=台風で窓が割れた、雪で物置がつぶれた)
  • 水災(=洪水や土砂で浸かった)
  • 盗難・水漏れ(=空き巣に入られた、上の階から水が漏れてきた)
  • 破損等(=うっかりテレビを倒して壊した、など)

最後の「破損等」に驚く人が多いです。
子どもが家の中でボールを投げてテレビを割った——これで保険金が出ることがあります。

入っているのに使わないまま自腹で買い直している人が、かなりいます😅


賃貸の場合、守る対象は3つ

賃貸の火災保険は、持ち家とは中身が違います。ここが分かっていない人が多いところです。

守る対象中身賃貸での扱い
建物部屋そのもの大家さんの持ち物なので、自分ではかけません
家財家具・家電・衣類など自分の持ち物これが主役
借家人賠償責任自分のせいで部屋を壊したときに、大家さんへ払う分必須(1,000万円程度)
個人賠償責任下の階に水漏れさせた、自転車で人にぶつかったつけておくと安心(1億円でも数百円)

つまり賃貸の人が考えるべきは、「自分の持ち物をいくらで見積もるか」と「部屋を壊したときの備え」の2つです。
建物のことは、考えなくていい。


💡 自分の保険証券を開いたら、家財100万円だった

ここからは、この記事を書きながら実際に起きたことです。


勧められるまま入って、そのままだった

うちは賃貸です。
契約のとき、不動産屋さんに「こちらの保険にご加入ください」と紙を出されて、そのまま名前を書きました。

中身を読んだ記憶がありません。😅

心のどこかで「一度ちゃんと見たほうがいいな」とは思っていました。
でも、保険の書類って、開くのが億劫なんです。

専門用語が並んでいて、どこを見ればいいかも分からない💦そうやって何年も後回しにしていました。


開いてみたら、数字が1つ目に入った

今回、記事のために自分の契約を確かめました。
年間の保険料は、火災と地震を合わせて10,780円(=火災10,220円+地震560円。5年契約を1年分に直した額)。

まあこんなものかと思いながら、補償の欄を見て、手が止まりました😳

家財 100万円。

うちは5人家族です。もし部屋が全部燃えたとして、家財を100万円で買い直せるでしょうか。ざっと積み上げてみました。

買い直すものざっくりの金額
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ約25万円
エアコン3台約30万円
テレビ・パソコン約25万円
ベッドと寝具 5人分約25万円
食卓・椅子・ソファ・収納約25万円
衣類 5人分約30万円
食器・調理器具・こまごましたもの約15万円
合計約175万円

しかも、これは最低限の買い直しです。子どもの学用品も、本も、思い出のものも入っていません😔

ちなみに「最低限」をもっと削るなら、ベッド5人分は「布団でいいやん」で数万円に落とせます。それでも合計は150万円を超えます。100万円では、どう削っても戻りません💦

家財の保険金額100万円と、買い直しに必要な175万円を積み木で比べた図。冷蔵庫・洗濯機・レンジ、エアコン3台、テレビ・パソコン、ベッド5人分、家具、衣類5人分、食器・調理器具の内訳つき

つまり僕の契約は、保険料は相場より高めなのに、いざというときは足りない——という形になっていました。
安い保険に入っていたのではなく、中身を見たことがなかっただけです💧

むちお

えっ、お金払ってたのに足りないってこと!?

ちえこ

保険って「入ってるかどうか」ばかり気にして、「いくら出るのか」を見ない人が多いんだよね。契約書を開けば5秒で分かるのに。


自分の金額を知る方法

読者のみなさんも、同じ確認が今日できます。
保険証券か、更新のお知らせを見てください。

「家財 ◯◯◯万円」という数字が必ず書いてあります。
そこだけです😌

その金額で、いまの家の中身を全部買い直せるか。
イメージが湧かなければ、保険会社が用意している計算ページで、家族構成を入れるだけで目安が出ます。

(例:家財の簡易評価額シミュレーション)

💌 過去の僕への手紙

保険の紙を「あとで読む」の山に置いた、あの日の自分へ。

その紙、開くのに5分もかからないよ。見るのは1か所だけ。「家財 いくら」。それだけ確かめれば、あとは分からなくていい。

後回しにしたのは、面倒だったからじゃなくて、どこを見ればいいか分からなかったからだよね。
だから、それだけ先に言っておく。

年に一度でいいから、そこだけ見て😊


💸 賃貸の火災保険は、たいてい見直せる

ここからが実利の話です。賃貸の火災保険は、多くの人が払いすぎています。


相場は、年4,000円ほど

賃貸の火災保険(=家財+借家人賠償+個人賠償のセット)は、年4,000円前後が相場です。
補償を厚くしても年7,000円くらい。

ところが、不動産屋さんに勧められるまま入ると年1万円〜2万円になりがちです。

理由ははっきりしています。
紹介した会社に手数料が入る仕組みだからです。

手数料は保険料の相当な割合を占めるといわれていて、その分をこちらが上乗せで払っています。
悪いことをしているわけではありませんが、こちらから何も言わなければ、その形のまま続きます😤


見直しの手順(=3ステップ)

STEP1 いま年間いくら払っているか見る

補償の細かい条件は、いったん読まなくていいです。
金額だけ見てください。
年4,000円を大きく超えていたら、見直す価値があります。

STEP2 賃貸契約書に「指定」の文字があるか探す

契約書の火災保険の欄に、「貸主が指定する火災保険に加入すること」と書かれているかどうかを見ます。

  • 「指定」がなければ——保険会社は自分で選べます。
    乗り換えられます。
  • 「指定」があれば——契約上はその保険になります。
    ただし更新のタイミングで相談すると、変更を認めてもらえることがあります。
    まず管理会社に聞いてみてください。

※「指定」があるのに黙って乗り換えるのは、契約違反になります。ここは必ず、相談してからにしてください。

STEP3 自分で選んで入り直す

賃貸専用の火災保険は、ネットから申し込めるものが増えています。選ぶときに見るのは3つだけです。

  • 家財の金額——家族の人数に合っているか(=ここがこの記事の本題)
  • 借家人賠償責任——1,000万円程度ついているか
  • 個人賠償責任——1億円あると安心(=数百円で付きます)

いまの契約が途中でも、解約すれば残りの期間の保険料は返ってきます。損にはならないので、思い立ったときが替えどきです😊


⚖️ 地震保険は、入るべきか

ここが一番よく聞かれます。「入るべき」「要らない」の前に、まず仕組みと実績を見ます。


地震保険は、火災保険とセットでしか入れない

制度を3つだけ。

  • 単独では入れません。
    火災保険にくっつける形です。
  • 金額は、火災保険の30〜50%の範囲でしか設定できません(=限度は建物5,000万円・家財1,000万円)
  • 保険料は、国が関わって決めているのでどの保険会社でも同じです(=比較しても安くなりません)

2つめが大事です。
家財の火災保険が100万円なら、地震保険は最大でも50万円。
はじめから、全部は戻らない設計になっています😔

出典:財務省「地震保険制度の概要」


いくら出るのか——僕の場合は、最大50万円

ここが分かりにくいところなので、僕の契約で具体的に見ます。
前に書いたとおり、うちの家財の火災保険は100万円。

すると地震保険はその半分の50万円が上限になります。

ただし、この50万円がまるまる出るわけではありません。
地震保険は壊れ方を4段階に分けて、決まった割合だけ払う仕組みだからです。

実際の修理費で計算するのではありません。

壊れ方出る割合僕の場合、いくら
全損100%50万円
大半損60%30万円
小半損30%15万円
一部損5%2万5,000円

いちばん下の「一部損」で、2万5,000円。家財がいくらか壊れても、この区分と判定されれば、出るのはこれだけです。

地震保険の支払いを壊れ方の4区分で示した図。家財の火災保険100万円に対し地震保険の上限は50万円で、全損100%は50万円、大半損60%は30万円、小半損30%は15万円、一部損5%は2万5,000円

出典:財務省「地震保険制度の概要」


そして、その「一部損」がいちばん多い

では実際、どの区分と判定されることが多いのか。東日本大震災のときの支払い実績が、国の資料に残っていました💦

壊れ方支払われた件数の割合
全損4.9%
半損(当時の区分)24.2%
一部損70.9%

7割が「一部損」。つまり地震保険を受け取った人の多くは、保険金額の5%だけを受け取ったということです。
僕の契約なら、2万5,000円。

これが「地震保険は、肝心なときに降りにくい」と言われる中身です。
嘘をついているわけではなく、はじめからそういう設計になっています

出典:財務省 地震保険制度に関するプロジェクトチーム報告書(日本損害保険協会調べ・平成24年3月末時点)


むちお

2万5,000円か…。それなら入らなくてもいいような気がしてきた。

ちえこ

そう思うよね。でもここ、家が持ち家か賃貸かで話が変わるの。次のところがこの記事でいちばん言いたいところだよ。


賃貸の場合は、話が少し違う

正直に書きます。
この「7割が一部損」という数字は、主に建物のものです。同じ資料を家財だけで見ると、一部損の割合は5割ほどまで下がります。

理由は想像がつきます。
建物は「柱にひびが入った」程度で一部損になりますが、家財は倒れて割れたら、それで壊れたことになるからです。

そして賃貸なら、そもそも建物の地震保険はかけられません(=大家さんの持ち物なので)。
かけるのは家財だけ。

金額が小さいぶん、保険料も小さくなります。

✅ 僕の結論(=賃貸の場合)

家財の地震保険は、年1,000〜2,000円程度で付くことが多い金額です。
この程度なら「入っておいても、外しても、家計の勝負どころではない」というのが正直なところ。

だから僕は、「地震保険をやめて節約しよう」ではなく、「火災保険の見直しで浮いた分を、家財の金額を上げるほうに回す」という順番にしました。
外すより、足りない補償を埋めるほうが先です。

※持ち家の場合は、金額も判断も別の話になります。建物にかける地震保険は、保険料も補償も一桁変わるためです。


🏛️ 被災したら、公的支援はいくら出るのか

保険を考える前に、知っておくべきことがもう1つあります。公的なお金が出るということです。


その前に——すべての入口は「罹災証明書」

先に、いちばん実務的な話をします。
公的支援も、税金の減額も、義援金も、罹災証明書(りさいしょうめいしょ)がないと1円も動きません。

罹災証明書とは、市区町村が「この家はこれだけ壊れました」と公式に認める紙のことです。
申請すると調査員が見に来て、全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊のどれかを判定します。

⚠️ 片付ける前に、写真を撮る

被災すると、まず片付けたくなります。でも片付けたあとでは、被害を証明できません。

順番はこうです。

  1. 部屋ごとに全体を撮る
  2. 壊れたものを個別に撮る
  3. 浸水したなら、水の跡が壁のどこまで残っているかを撮る(メジャーを当てると確実)

スマホで数分です。
これが、あとで受け取れる金額を決めます。

保険の請求にも、同じ写真がそのまま使えます。

判定に納得できないときは、再調査を申し立てられます。
「一部損壊」と「半壊」では受け取れる額が大きく変わるので、違うと感じたら遠慮なく申し出てください。


被災者生活再建支援制度

住まいが大きな被害を受けた世帯に、国と都道府県からお金が出ます。2つの支援金の合計です。

基礎支援金(被害の程度で決まる)金額
全壊など100万円
大規模半壊50万円
加算支援金(そのあとどうするかで決まる)金額
建てる・買う200万円
直す100万円
借りる(賃貸)50万円

よく「最大300万円」と言われるのは、全壊して、建て直す・買うを選んだ場合です(=100万+200万)。

つまり賃貸に住んでいて、また賃貸に住む場合は150万円(=100万+50万)。
ここは正直に書いておきます。

賃貸だから公的支援でも有利、ということはありません。

※一人暮らしの世帯は、それぞれ4分の3の金額になります。
また、この制度が使えるのは、住んでいる市区町村が制度の対象になった場合です。

公式:内閣府「公的支援制度について」


期限があります

意外と知られていませんが、申請には期限があります。

  • 基礎支援金——災害が起きた日から13か月以内
  • 加算支援金——同じく37か月以内

被災した直後は、それどころではありません。
だからこそ「こういう制度がある」とだけ、いま頭に入れておいてください。

思い出せれば、あとは窓口が教えてくれます。


❌ よくある誤解4つ

最後に、僕自身が勘違いしていたものを並べます。


誤解①「地震保険に入っていれば、家を建て直せる」

建て直せません。
地震保険は火災保険の30〜50%までしかかけられない設計だからです。

そもそも家を再建するための保険ではなく、当面の生活費のための保険と考えるのが正しい。

この前提を知らずに「入っているから大丈夫」と思っているのが、いちばん危ない状態です。


誤解②「賃貸だから、保険は要らない」

これは逆です。
賃貸こそ必要なものがあります。
借家人賠償責任——自分の不注意で部屋を燃やしたり壊したりしたとき、大家さんに弁償するお金です。

部屋の修繕費は、数百万円になることがあります。ほとんどの賃貸契約で火災保険が必須になっているのは、これが理由です。


誤解③「ハザードマップは、家を買う人が見るもの」

賃貸こそ見る価値があります。
見て動けるのが賃貸の強みだからです。
買う人は見てから決める。
借りる人は見てから更新を決められる。


誤解④「保険に入れば、備えは終わり」

この記事の1章のとおりです。
保険はお金が戻るだけで、被害そのものは1ミリも減りません。
しかも戻るのは、失ったものの一部だけ。

家具を固定する数千円のほうが、保険料より効くことがあります。順番を思い出してください😤


📝 まとめ|保険を増やす前に、契約書を1枚開く

災害の備えは、次の順です。

  1. 住む場所
  2. 持ち物
  3. 保険

そして多くの人にとって、いちばん効くのに一度もやっていないのが、いま入っている保険の中身を見ることでした。

僕がそうでした。


📊 早見表

やることこれだけ知っておけばOK
ハザードマップ住所を入れて洪水・土砂・津波の3つを見る(=5分・0円)
家財の金額証券の「家財 ◯◯◯万円」を見る。家族の人数に合っているか
賃貸の火災保険相場は年4,000円ほど。超えていたら見直せる
契約書の「指定」なければ乗り換え自由。あれば更新時に相談
地震保険火災保険の30〜50%まで。件数の7割は5%しか出ない
賃貸の地震保険家財だけ。年1,000〜2,000円程度なら好みで判断
公的支援全壊なら100万円+(賃貸を続けるなら50万円)=150万円
申請期限基礎は13か月・加算は37か月

🚀 今日からの3ステップ

  1. 今夜:ハザードマップに住所を入れて見る(=5分)
  2. 今週:保険証券を出して「家財 いくら」だけ確認する(=5分)
  3. 今月:年間保険料が4,000円を大きく超えていたら、賃貸契約書で「指定」の有無を確認する(=10分)

全部で20分です。保険を増やす話は、そのあとで大丈夫。まず、いま持っているものの中身を知るところからです。


✅ 家族に送るテンプレ(=コピペOK)

【うちの災害メモ】

  1. ハザードマップで家の場所を確認した
  2. 火災保険の家財の金額は◯◯万円
  3. 通帳と保険証券は◯◯にまとめてある
  4. 全壊したら国から最大300万円(うちが借り続けるなら150万円)
  5. 申請の期限は13か月。困ったら市役所の窓口へ

うちの場合:ハザードマップは自宅の場所を確認ずみ。このメモも、妻と共有してあります。
書いて渡してみると、家財の金額を答えられる家は意外と少ない、と気づきます。


この記事は、守りシリーズの4本目です。
シリーズ全体の見取り図は、入口の記事守りの完全ガイドへ。

前回はスマホとお金のセキュリティで、スマホの中の口座を守る話をしました。
次回は最終回「40代からの相続入門」——親と自分の、そのあとの話です。

※本記事は個人の経験・調査に基づく一般的情報です。
統計・制度・保険料は執筆時点のものです。

保険の内容は契約ごとに異なるため、必ずご自身の保険証券と約款をご確認ください。
特定の商品・サービスの契約を推奨するものではありません。

📌 本記事は、制度改正・統計の更新があったときに随時更新します(=最終更新:2026年10月14日)。


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