2026年9月9日 公開|制度・数字は公開時点の公式情報で確認済みです
オルカンか、S&P500か。
投資を調べ始めた人が、ほぼ全員突き当たる2択です。
SNSでは毎日どちらかが「オワコン」と言われ、翌週には逆のことが言われている。
見れば見るほど、決められなくなります💧
先に、この記事の結論を言います。どっちを選んでも80点。決めて続けた人だけが100点です。
この記事では、2つの中身を開いて見比べて、あなたが今夜どちらかに丸をつけられるところまで案内します。
ちなみに僕は、目的別に両方使っています(=後半で種明かしします)😊
📝 この記事でわかること
- 全世界株(オルカン)とS&P500、それぞれの「中身」
- 実は中身が6割同じという事実と、残り4割の違い
- どっちを選ぶかの決め方(=性格とお金の使い道で決まる)
- 決めたあとに乗り換えなくていい理由
- うちが「両方」を使い分けている理由(=実例)
🤔 なぜ「どっち問題」は永遠に揉めるのか
最初に、この2択の正体をはっきりさせておきます。
「優等生2人のどっちが上か」という議論
そもそもこの2つは、NISA完全ガイドで書いた「インデックスファンドの中でも特に優秀な2本」です。
学年トップ2人の、どっちがより天才かを議論しているようなもの。
だから延々と決着がつかないし、どっちを選んでも大失敗にはなりません。まずこの安心を持って、続きを読んでください😌
それでも「自分はどっちか」を決めるために、2つの箱の中身を開けて見比べていきます。
🌍 全世界株(オルカン)の中身


正式名は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。まず、この箱を開けます。
世界47カ国・約2,500社をまるごと1本で
オルカンは、世界の株式市場の「平均点」に連動する投資信託です。
日本を含む先進国と新興国、あわせて47カ国・約2,500〜2,700社に、これ1本で分散投資したことになります。
意外と知られていないのが中身の配分で、実は6割強はアメリカの会社です。
「全世界」と言っても世界均等ではなく、株式市場の大きさに比例して持つ仕組み。
つまりオルカンを買っている人も、半分以上はアメリカに投資しています😳
最大の発明は「勝手に入れ替わる」こと
オルカンの本当の価値は、分散の広さよりこっちだと僕は思っています。
もし20年後、アメリカが停滞してインドやヨーロッパが世界を引っ張る時代が来たら?
オルカンはその変化に合わせて、中身の配分を勝手に入れ替えてくれます。
あなたは何も判断しなくていい。
「未来の勝者を当てる」仕事を、仕組みに丸投げできるんです😤
「未来は当てられない」の、動かぬ証拠
口で言うだけでは説得力がないので、証拠を出します。
30年前の世界の時価総額トップ10(=株式市場での会社の値段の番付)です。
| 1995年の世界トップ10(抜粋) | いま(2026年)はどうか |
|---|---|
| NTT(2位)・トヨタ(8位)という日本勢のほか、ゼネラル・エレクトリック、AT&T、エクソン、コカ・コーラ、メルクといった顔ぶれ | 10社のうち、いまのトップ10に残っている会社はゼロ |
1社も残っていません。当時のNTTは世界2位です。トヨタもトップ10にいました。
それでも30年たてば、番付はここまで入れ替わります😳
逆に、いまの上位にいるエヌビディアやアマゾン、グーグル(アルファベット)は、30年前は上場すらしていないか、会社そのものが影も形もありませんでした。
つまり30年後の勝者は、いまはまだ存在しない会社かもしれないということです。それを今日のあなたが当てるのは、無理です。僕にも無理です。
だから「当て続ける仕組み」ごと買う。オルカンの入れ替えの価値は、この30年が証明しています。
出典:内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 資料「時価総額ランキングの変遷」(原典=三菱UFJモルガン・スタンレー証券)
入れ替わるのは、伸びる国を増やす方向だけではありません。
戦争や経済危機で情勢が悪化した国は、比率が自動で下がっていきます。
実際、ロシアがウクライナに侵攻した2022年、ロシア株は指数から外されました(=取引そのものができなくなったため)。
もちろん、外れる瞬間に値下がりは起きます。
ただ、当時オルカンの中でロシアが占めていたのは全体の0.4%ほど。
ニュースを見て慌てて売る判断を、自分でしなくていい。
これがオルカンを持つ人の精神的な強さです😌



えっ、危ない国は自動で減っていくの?そんな仕組みになってるなんて知らなかった…!



株価が下がれば比率も下がるからね。世界のニュースに詳しくなくても、勝手に調整されるの。ラクでしょ😊
持ち続けるコスト(=信託報酬)は年0.05775%。100万円分持っていて年600円弱です(=2026年7月時点)。
🌍 オルカンを3行でいうと
- 世界47カ国・約2,500社に、これ1本で(=うち6割強はアメリカ)
- 伸びる国は自動で増え、危ない国は自動で減る
- 未来を当てる仕事を、まるごと仕組みに任せられる
ちなみに、同じ全世界株でも「除く日本」版(=日本株を外したもの)や「楽天・オールカントリー」などの兄弟商品があります。
考え方はほぼ同じなので、この記事はいちばん定番のオルカンで話を進めます😌
🇺🇸 S&P500の中身


続いて「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。こちらの箱も開けます。
アメリカの大手503社に集中投資
S&P500は、アメリカを代表する大企業503社の「平均点」です。
マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾン——ニュースで聞く巨大企業がずらりと並びます。
ここ10〜15年ほどは、アメリカの株式市場が世界を引っ張ってきた時代でした。
だから直近の成績を並べると、S&P500が全世界株を上回っています。
「どうせ世界の6割は米国なら、強いところに全部張ればいい」——S&P500派の言い分は、これです。
ただし「S&P500がいつも勝ってきた」わけではありません。この誤解は次の章の数字で、はっきりさせます。
知っておくべきは「集中」の度合い
一方で、知らずに買ってはいけない数字があります。
2026年時点で、上位10社だけで指数全体の約4割を占めていること。
ひと昔前(1990〜2015年ごろ)はこれが2割前後だったので、歴史的に見てもかなりの集中です😳
つまり今のS&P500は「503社に分散」というより、実質「巨大テック企業チーム+その他」に近い。
この集中が追い風の間は強く、逆回転したときはブレも大きい——それを分かった上で選ぶ指数です🤔
信託報酬は年0.08140%(=2026年7月時点)。オルカンよりわずかに高いですが、どちらも誤差レベルの安さです。
🇺🇸 S&P500を3行でいうと
- アメリカの大手503社に集中(=世界の中心を丸ごと買う)
- 直近10〜15年の成績は、こちらが上
- ただし上位10社で約4割。強さと集中は表裏一体
📊 これまでの成績を、正しく並べる
「結局どっちが儲かったの?」に、年代別で答えます。ここが一番の誤解ポイントです。
年代で、勝者は入れ替わってきた
| 期間 | S&P500 | 全世界株 | 勝者 |
|---|---|---|---|
| 2000年代(2000〜2009) | 年率 −0.9% | プラス圏(=新興国が年率+9.8%と好調) | 全世界株 |
| 2010年代(2010〜2019) | 年率 13.3% | 年率 8.7% | S&P500 |
| 直近10年(2015〜2024) | 年率 10〜11% | 年率 8〜9% | S&P500 |
注目してほしいのは、いちばん上の行です。
2000年代のS&P500は、配当を含めても年率マイナス0.9%。
10年間持ち続けて、1ドルが91セントになった計算です。
当時この10年は「失われた10年」と呼ばれました😔
一方その10年、新興国は年率+9.8%と絶好調。
「アメリカは常に最強」は、事実ではありません。
10年単位で見れば、主役は入れ替わってきたんです。



10年持ってマイナスって、めちゃくちゃキツいよね…。積立してた人、心折れなかったのかな💦
だからこそ「15年以上待てるお金」でやる話なんだよね。ちなみにその時期も、積立を続けた人は安く買い増せていたんだよ。
値動きの荒さも数字で見ておく
もう一つ、成績と一緒に見るべき数字があります。値動きの荒さ(=1年の間にどれくらい上下に振れるか)です。
ざっくり、S&P500が年16〜18%、全世界株が年14〜16%。
全世界株のほうが、少しだけ揺れが小さい。
分散の効果は、リターンより先に「揺れの小ささ」に出るんです。
(=どちらも過去の実績で、未来を保証するものではありません。期間の取り方や為替でも数字は変わります)
⚖️ 比較と決め方:性格とお金の使い道で決まる


中身が見えたところで、並べて比べます。
比較表(=2026年7月時点)
| 比較 | 全世界株(オルカン) | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資先 | 47カ国・約2,500〜2,700社 | アメリカ503社 |
| アメリカの割合 | 6割強 | 10割 |
| 持ち味 | 時代が変われば中身が勝手に入れ替わる(=危ない国は自動で外れる) | 直近10〜15年の成績はこちらが上 |
| 弱点 | 米国が絶好調の年は見劣りする | 上位10社で約4割の集中・米国頼み |
| 信託報酬(年) | 0.05775% | 0.08140% |
| 向く人 | 迷いたくない・考えたくない人 | 米国の成長に賭けたい人 |
勝者は10年ごとに入れ替わってきた。
だから「今いちばん強い方」を選ぶ発想には、限界がある。
そして、この表よりも大事な事実がこれです。
オルカンの6割強はアメリカ。
つまり2つの中身は6割同じです。
値動きもかなり似ます。
だから「人生を分ける選択」に見えて、実際の差は思っているよりずっと小さい。



6割同じなら、結局どっちでもいいってこと…?あんなに悩んでたのに…。



そうなの。だからこの2択で何ヶ月も止まるのが、一番もったいないんだよ。違いが出る残り4割を、自分の考えで選べば十分だよ。
決め方はこの2問だけ
⚖️ どっちを買うかの決め方
あなたの頭に浮かぶセリフは、どちらに近いですか?
🌍 「中国はどうなの?ロシアは大丈夫?仮想通貨も気になる…」
→ 世界のニュースが気になるタイプ。迷わずオルカンです。
全部ひっくるめて世界に任せれば、この手の心配から解放されます。
🇺🇸 「絶対アメリカ一強でしょ。アメリカが風邪を引けば世界中が風邪を引くんだから、リターンで勝るS&P500でいい」
→ 自分の相場観がはっきりあるタイプ。S&P500でいいです。
その代わり、2000年代のような「10年マイナス」も引き受ける覚悟だけ持ってください。
根っこは「世界に任せるか、自分の読みに賭けるか」。どちらの考え方も間違いではありません。



僕、どっちのセリフも言ってる気がする…。そういう人はどうすればいいの?



両方に共感できる人は、オルカンでいいと思うよ。「決めきれない」って、実は「世界に任せたい」ってことだからね。
🔁 決めたら、乗り換えない
選び方より大事な話をします。選んだあとの話です。
SNSは毎年「オワコン」と言う
これから積立を続ける15年の間に、「オルカンはオワコン」「S&P500の時代は終わった」という声を、何十回も目にします。
断言できます。
米国が好調な年はオルカンが、不調な年はS&P500が、必ず叩かれるからです。
でも思い出してください。
中身は6割同じ。
乗り換えて得られるものは小さく、高値づかみ・安値売りのリスクと手間だけが確実に発生します。



でも、みんなが「オワコン」って言ってたら不安になっちゃうよ…。無視できる自信がない💧



無視できなくて大丈夫。かわりに、買った理由を1行メモしておくの。不安になった夜、それを読み返せば戻ってこられるよ😊
「決めたら、ほったらかす」。
NISA完全ガイドで書いた「一番成績が良かったのは、買ったのを忘れて放置していた人」という笑い話は、この2択にもそのまま当てはまります。
「もっと強い銘柄」の誘惑にも気をつける
調べていると、もう一つの誘惑が現れます。
「S&P500よりNASDAQ100の方がリターンが上」「レバレッジ型なら2倍速い」——たしかに、絶好調の年の成績だけ見ればそう見えます。
でも、尖った商品ほど下がるときの落ち方も別格です。
リターンの数字だけが独り歩きしている商品には、近づかないのが40代の家計の守り方。
長期の資産形成は、この記事の2本のどちらかで十分です(=危ない商品の見抜き方は、9月19日公開予定の「やってはいけない投資」で詳しく)。
💡 さとる体験:うちは目的別に2本立て
冒頭で予告した種明かしです。
うちは、老後資金は全世界株を毎月9万円。
それとは別に、10年ほど先の学費用としてS&P500(=貯蓄型保険の解約返戻金を据え置き+毎月1万円+余剰資金)を持っています。
使い分けの理由はシンプルで、お金の目的と期間が違うからです。
20年以上先の老後資金は「未来は分からない」前提で世界に任せる。
10年スパンの学費は、当面はアメリカの優位が続くという僕個人の読みで、S&P500に。
……と、かっこよく言いましたが、ここは意見が分かれるところで、あくまで僕個人の判断です。
伝えたいのは「両方買え」ではありません。
目的が1つなら、1本で十分。
うちのように目的別のお金が複数あるとき、初めて使い分けに意味が出ます。
ただ、ここまで読んでもまだ決められない人へ。
正直に言うと、僕もかなり悩みました。
どちらの言い分にも納得できてしまって、何週間も決められなかった。
そのとき僕を前に進めたのは「どっちが正解か」を探すのをやめて、自分が納得できる形にしたことでした。
老後は世界に任せる、10年先の学費は自分の読みで。
目的で分けたら、迷いが消えました。
だから、どうしても決めきれない人は僕のやり方を真似してもらってOKです。
それも立派な「決めた」ですから😊 大事なのは正解を当てることではなく、納得して続けられる形を持つことなので。
❓ よくある誤解4つ
この2択にまつわる誤解を、まとめてつぶします。
誤解①「全世界株なら暴落しない」
しません、とは言えません。
世界中の株が同時に下がる暴落(=リーマンショック級)では、オルカンも普通に3〜5割下がり得ます。
分散が守ってくれるのは「特定の国の一人負け」であって、「株式全体の下げ」ではありません。
だから生活防衛資金が先、なんです。
誤解②「S&P500はアメリカがダメになったら終わり」
半分正しく、半分違います。
S&P500の中身は世界中で商売する多国籍企業なので、アメリカ経済だけと運命共同体ではありません。
ただし、通貨も市場も1カ国に集中しているのは事実。
「終わり」ではなく「ブレが大きくなる」が正確なところです。
誤解③「2本に分けると、利回りが悪くなる」
これは半分だけ本当です。
2本に分けても1本ずつの利回りは、まったく変わりません。
変わるのは「合計の成績が、2本の間に収まる」というだけ。
分けたせいで手数料が余計にかかることもありません。
つまり2本立ては「損する選択」ではなく、成績が両者の中間に落ち着く選択。
ただし分散が目的なら意味は薄いです(=中身が6割同じなので)。
目的別に分けたいとき以外は、1本のほうがシンプルで管理もラクです。
誤解④「円高になったら大損する」
どちらも外国株なので、円高になると円で見た価値は目減りします(=為替リスク)。
ただしこれは2つに共通の条件で、この2択の優劣には関係ありません。
15年以上の積立なら、円高の時期は「外国株を安く買える時期」でもあります。
短期の為替で一喜一憂しないのが基本です。
📝 まとめ:今夜、どちらかに丸をつける
結論に戻ります。どっちを選んでも80点。決めて続けた人だけが100点です。
📊 どっち問題 早見表
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 大前提 | 中身は6割同じ。どちらも優等生で、大失敗はない |
| 全世界株が向く人 | 「未来は分からない」派・迷いたくない人(=迷ったらこちら) |
| S&P500が向く人 | 「当面は米国が強い」と自分で考えて賭けられる人 |
| 選んだあと | 乗り換えない。SNSの「オワコン」は毎年の恒例行事 |
| 両方買い | 分散にはならない。目的別のお金が複数あるときだけ意味がある |
| 共通の注意 | 暴落時は両方下がる・為替リスクも共通。だから防衛資金が先 |
🚀 今日からの3ステップ
- 「世界に任せる」か「米国に賭ける」か、自分の言葉で言ってみる(=声に出すと、実はもう決まっていることが多いです)
- 選んだ1本を、証券口座のつみたて設定に入れる(=口座の記事の手順で)
- 買った理由をスマホのメモに1行残す(=将来「オワコン」の声に揺れた夜、あなたを守るお守りになります)
🧭 次のステップ(=関連記事)
- 投資の全体地図:NISA完全ガイド|40代からでも遅くない資産形成
- 買う場所の準備:証券口座とネット銀行の開き方
- 次回は「月いくら・いつまで」を家族の年表から決める、40代のNISA戦略です(=9月12日公開予定)
過去の僕への手紙
「オルカン S&P500 どっち」。夜中に何度も検索していた。
探していたのは、いい銘柄じゃなかった。
「絶対に後悔しない」という保証だった。
そんなものは投資のどこにも売っていないのに、それを探して半年くらい止まっていた。
結論を言うと、どっちを選んでも10年後には「あのとき始めてよかった」と言っている。
差がつくのは銘柄じゃなくて、始めた日付だった。
だから鉛筆で丸をつけていい。書き直せる丸で、ちゃんと前に進める。
📌 本記事は制度・商品の改正時に随時更新します(=最終更新:2026年9月9日)。
※本記事は個人の経験・調査に基づく一般的情報です。
特定銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
過去の実績は将来を保証するものではありません。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます😌
もがいてナンボ。ではまた👋


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